ミュージカル「シンデレラ」総括(その1)

 8月6日から始まったモーニング娘。と宝塚のミュージカル「シンデレラ」は25日に千秋楽を迎えました。
まずは無事に全公演を終了した出演者の皆様にお疲れ様と言う気持ちを表したいと思います。


おいらはこのミュージカルを4回鑑賞させていただきました。
全てS席で見ましたので割と舞台上の演者の表情まではっきりと見えましたし、それぞれにいい思い出に残っています。
今回は色々な側面からミュージカル全体を振り返ってみます。


○宝塚の皆様と娘。たちのコラボが心地よかった
 宝塚の皆様とコラボするのは2年前のリボンミュー以来2度目となったわけですが、娘。たちと宝塚の皆様のコラボレーションが本当に素晴らしかったですね。
舞台上での息の合った演技はもちろん、稽古中もまるで母娘のように楽しそうにやっている様子は公式ブログからたくさん伝わって来ました。
同じ「芸能界」と言う舞台で生きている先輩から学ぶことは多かったと思います。
この経験を今後の活躍に活かしてもらえたら嬉しいですね。


○随所に入れられたアドリブが面白かった
 今回のミュージカルではあちこちに「アドリブ」が入っていて、見るものを楽しませてくれましたね。特に最終日の公演ではかなりやりたい放題でしたww
どちらかと言えば喜劇的なものが好きなおいらはめっちゃ楽しませてもらいましたよ。
あまりアドリブ入れて台本から外れたり舞台がグダグダになるのはよろしくはないんですが、「見るものを飽きさせない」と言う演者の気配りが心地よかったです。
そうやって自由にやってる姿を見ると、「本当に楽しんでやってるんだな〜」って雰囲気が伝わって来て、好感が持てました。
演技をするのに精一杯だったり台本に縛られたりするとどうしても硬く見えちゃうところがあり「やってる側が楽しめてるのかな?」と言う気持ちを持ったりしてしまうこともあると思いますが、そんな雰囲気は全く無く、本当に楽しんでやってるって感じが伝わって来たんでよかったです。
「ステージ上でのみんなの笑顔」がそれを証明していましたね。


○メンバーの演技力に脱帽
 ミュージカルや舞台の経験にはそれぞれキャリアの差がありますが、それぞれのメンバーが個性溢れる演技を見せて(いや、魅せて)くれたのがすごく印象的でしたね。


 持ち前のダンス力と歌唱力を如何なく発揮し最高のシンデレラを見せてくれた愛ちゃん。
 難しいと思われた男役を見事にこなしてくれたガキさん
 「素のキャラ?」と思わせるくらい自然な演技が心地よかったえりりんとれいな。
 娘。やきらりちゃんとしてのイメージを一掃し凛々しく魅せてくれた小春ちゃん
 妖精、町娘、淑女と多彩な表情で見るものをなごませてくれたさゆみんと愛佳ちゃん。
 「日本語の壁」と言う大きなハードルを越えて頑張ったジュンジュンとリンリン。


 それぞれに与えられた役柄で精一杯の演技を見せてくれましたよね。
今までのミュージカルは割と「メンバーに合わせた役どころ」という設定と言った感じでしたが、今回は今までのとは打って変わって「あらかじめ決まっている物語」を演じる。
と言うことは、メンバーそれぞれが「役柄に合わせた演技」を要求されました。
これはかなり大変なことだったと思います。準備期間が短い中、素晴らしい舞台を魅せてくれたメンバーに改めて感謝したいですね。


 もちろんみんなの演技が素晴らしかったですが、おいらが敢えて一人を選ばせてもらうとしたら、春ちゃんに最優秀賞をあげたいと思います。*1
その理由は、先程も言いましたとおり、「すごく凛々しくフランツを演じていた」のが印象に残ったからです。
春ちゃんと言えばきらりちゃんの声優さんでもありますしどちらかと言えば「キャピキャピかわいい」イメージが強いと思うんですよね。
声も割と高めだし、男役を演じるのはかなり大変だったと思うんですが、見事にこなしてくれていました。
メンバーの中では背が高くスラッとしているので見た目は男役でピッタリなんですが、内面から演じるのは大変だったことでしょう。
でもいい意味でいつもの笑顔を見せずにキリッと凛々しいフランツを演じた小春ちゃんをおいらは高く評価しています。*2


彼女を評価している理由の一つに、「声がよく通っていた」と言うのも挙げたいですね。
今回のミュージカルは前の方で見させていただいたので後ろの様子は分かりませんが、娘。メンバーの中では一番声が通っていたんじゃないか?って感じました。
歌は多少苦手なところもあるかもしれませんが、「声が通る」と言うのは舞台ではかなり大きな要因であるでしょうから、そこを高評価しました。


○では、愛佳ちゃんは?
 はい、あいかファンの立場として彼女のことを語らないわけにもいかないですよね(汗)。愛佳ちゃんについてもお話しますよ。
何度か触れていますが、彼女の役どころは「妖精」「町娘」「淑女」と言った3部構成でした。
どの役どころもお世辞にもあまりストーリーには関係あるとは言えず、「端役」と言ったイメージが強いです。
初回見た時はそれが寂しく思えて切なくなったりもしたんですが、何度か見ていくうちにその思いは払拭されましたね。

 愛佳ちゃんは他のメンバーと比べて歌やセリフが非常に少ないのですが、それはしょうがないな、って納得しました。
物語の冒頭で妖精役としてさゆみんと二人で歌を歌うシーンがあるのですが、この時のパンチ力がかなり弱い。
他の出演者と比べて圧倒的に弱い歌唱力。これじゃあしょうがないかな?って思いました。

 彼女自身、その辺はよく分かっていたんだと思います。(期待の大きかったおいらはそこが寂しく思ったんですが。)
でも、彼女はその配役に甘んじることなく、「与えられた役どころ」を「精一杯」演じていました。そこは高く評価したいところですね。
町娘役のときの満面の笑顔、そして「セリフ無き声」が彼女の一番の魅せ所でしたね。
出演者と戯れあったり変な声を出したりw彼女自身が本当に楽しんでやってるんだな〜って気持ちが伝わって来たんで、ファンとしては十分満足でした。
ラストのシンデレラと王子が結ばれるシーンでは妖精としてかなり好き勝手やってましたww
「他の人には見えない」ことをいいことにやりたい放題ww
お陰で彼女の事が気になってしまい感動のラストシーンで自分の顔から笑みが絶えなかったのは申し訳ないと思っていますが、それはそれで許してくださいww


舞台はスポットライトを当てられた人が全てではありません。
小さなセリフ無き表情だけの演技も含めて、ステージの上に立つ全ての人が「舞台」なのです。
そんな小さな輝きを見守ることが出来たのを、幸せに感じます。




と言った感じで非常に長くなりましたが、ミュージカルの総評を書かせていただきました。
長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。


なお、(その1)と書いたのは、もうちょっと話したいことがあるからです。
もっと語りたいことはあるんですが、時間が無くなってしまいました。
次回の日記では、今回のミュージカルをもっと広角的な視点で振り返った内容の総評を書きたいと思っているので、そちらもお楽しみに。

*1:あいかファンとしてはもちろん愛佳ちゃんを評価したいんですが、「推しへの贔屓目」が入っちゃうので、ここでは敢えてやめましたw

*2:低い声が出せたら王子様やっても様になったと思ってますよ。